作り終えて

はじめに

ということでバイクが完成しました。製作期間は2000年8月27日~2001年1月27日。世紀越えての製作になりましたが、半分以上の期間はなにもせずサボってました。

乗り物を決めよう

乗り物が欲しいわなと思ってはみたものの、軽自動車やBD-5J等の超小型飛行機でも1/6サイズというのは大きいです。そんな中で比較的手ごろなのがバイク(オートバイでもモーターサイクルでもいいですけど)。各社からプラモデルが出てますし、アメリカ製のおもちゃ等でも売られています。

そんなところで今回は素子用にバイクを作ることにしました。外観は近未来的ながらも割とごく普通っぽいベーシックモデル。せいぜいオンオフ兼用のデュアルパーパスというところでしょうか。要するにあまり考えてないって事です。ううむ。

設定

設定としては、当時9才のすみれがゴミ捨て場や近所の大学の施設からかっぱらってきた車体や部品を使い、組み立ててみたということにしてます。マシダ製バンケル型水素ロータリーエンジン、HIH製ターボユニット、イワクニガス製スラッシュ水素タンク等は廃棄された各研究施設の倉庫から、車体に使われているチタン合金や各種複合材料、流体駆動システムは某大学冶金研究施設等から火事のときにかっぱらってきたもの。

すみれは同じようにして工作機械もかっぱらってきているので、個人で機械工作ができるのでした。

とか言ってるうちにNewton2001年1月号のナノテクノロジー関連記事で、カーボンナノチューブに水素分子を閉じ込める性質があり、ペットボトル1本分で500km走ることが可能らしいと書かれてる……。ペットボトルにも容量はいろいろありますが、普通は大きくても2リットル程度でしょう。ということでスラッシュ水素はやめてカーボンナノチューブを利用した水素吸蔵タンクということにしときます。

とりあえず決まっていたのは「SMホイール」「フロント・リア共片持ちスイングアーム式サスペンション」「ハブセンターステアリング」というところです。カウリング等の外観はその後で決めようと思いまして。

SMホイール

SMホイールというのは1989年3月にジュネーブで開かれた世界モーターショーで発表されたもので、車輪に車軸が無いのが特徴です。ちなみにSMのSはこの技術の発明者フランコ・スパロー氏、Mはスポンサーのモータス氏のイニシャルです。車体に固定された内輪と、タイヤに固定されている外輪からなり、モーターの回転を車軸ではなく外輪に直接伝える事で駆動力の効率をあげる事を狙ったもの、だそうです。その後さっぱり見かけませんが……。ちなみに1989年6月号の科学雑誌Quarkで1頁分の紹介記事がありました。車軸のない車というのはルイジ・コラーニも描いています。駆動方法はまた違うようですが。そういや最近ルイジ・コラーニって聞かないかも……。バイオニックデザインの第一人者で、車の「Cフォーム」が有名。日本製品ではたち吉のコーヒーカップや吉永プリンスのライター、玩具のチョロQ、キヤノンのカメラT90等があります。

ハブセンターステアリング

片持ちサスハブセンターステアリングは市販車でもありますね。さすがにハブセンターステアリングは BIMOTA TESI 1D くらいしか知りません。片持ちのフロントサスはelfチームが1988年の鈴鹿耐久レースで出したのが最初みたいです。

なんというかこう、メカフェチな人間の心を揺さぶる魅力的なデザインと思いませんでしょうか。飛行機で言うと前進翼とか二次元ノズル(言い方古いですか)のような。

参考

バイクはまだ作ったことがないのでフルスクラッチは無謀。しかもタイヤはちょっと作る事ができません。ということでプラモデルを改造して作る事にしました。可動素体が乗るので、サスやハンドル等は当然可動するように作ります。

ベースになるプラモデルはタミヤの1/6 SUZUKI GSX1100S KATANA。ハンス・ムートのデザインによる有名なバイクです。星雲仮面マシンマンのニックも乗っていたぞ(750だったかもしれませんが)。発表されたのが1980年、フレームは流石に今っぽくないけど、他はかっこいいっす。模型自体も1982年製ですが、流石タミヤというほどの出来と思います。

また、ハブセンターステアリングの動作参考に同じくタミヤ製1/12 BIMOTA TESI 1D を購入。どうやってタイヤを動かしているのかというのがこれで判ります。よくこんな機構を考えたもんだ…>BIMOTA

あと用意するのは、プラ棒プラ板ポリパテエポパテ1mm径の真鍮線等、フルスクラッチに必要な素材工具一式です。

参考書籍

【図鑑】世界のモーターサイクル
著者:フューゴ・ウィルソン
発行:辰巳出版株式会社
定価:3500円(本体3398円)
発行日:1994年7月1日 第1版
ISBN4-88641-079-0
オートバイマニュアル百科
発行:成美堂出版
定価:1300円(本体1262円)
発行日:1993年5月30日
ISBN4-415-03622-8
ビッグバイクの世界 扶桑社ムック
発行:扶桑社
定価:1714円+税
発行日:1998年12月1日
ISBN4-594-60168-5
エンジンのABC
著者:檜垣和夫
ブルーバックス B-1129
発行:講談社
定価:820円(本体796円)
発行日:1996年7月20日
ISBN4-06-257129-3
ターボ車 メカニズムとドライビング
編:GP企画センター
発行:グランプリ出版
定価:1200円(+税?)
発行日:1987年8月10日 初版
ISBN4-906189-63-6
未来をひらく水素自動車
著者:古濱庄一
ハイテク選書ワイド
発行:東京電機大学出版部
定価:1648円(本体1600円・税48円)(当時)
発行日:1992年3月20日 第1版第1刷
ISBN4-501-41220-8
日本と世界のオートバイカタログ1995年版
ドイツモーターP・I社版
発行:成美堂出版
定価:2200円(本体2136円)(当時)
発行日:1995年5月20日 発行
ISBN4-415-04050-0

いずれも図書館で借りてきたもの

文書更新履歴

2013年03月01日
22cm素体のバイクを削除。
2001年01月31日
更新終了。
2000年09月12日
公開。