はじめに
しばらく製作専用モードに入ってて、HTML文書を製作してませんでした。トップページで時々経過を書いてたので、それを見返しながら書いてみます。
人形は入るか
FRPが硬化したら人形を乗せて様子を見ました。とりあえず乗るようですが、かなり狭いです。余裕がありません。
シートは塗装とか脚の取り外しの事とかあるので、取り外しできるようにしようと思ってました。しかし狭いため、さらにヘッドレストや背もたれ、腰、脚置きと4つに分解して取り外せるように変更します。
全体に軽く紙やすりをかけたら、かなりのスジ彫りが消えてしまいました……。復活させようとしましたがFRPがかなり固くて手間取り、結局スジ彫りは全て消してます。
というかこれ、厚いです。ガラスクロスを4、5枚貼ってますが(4プライとか5プライとか言うのかな)、2プライで十分という気がします。あと、できるだけ綺麗に貼るとその後が楽です。いざとなればそのまま塗装してもそれっぽくなるかもしれません。あちこちにがラスクロスが跳ね上がったり凸凹の箇所があると、面倒でも隠す必要が出てきたり、穴を開けたりする際の障害になります……。もう一つついでに言うと、布状のガラスクロスではなく、ガラスマットを使うべきでした。曲面とか多いし。
『航空ジャーナル』1985年1月号によると、X-29の前進翼は752プライ、一番薄いところで156プライなんだそうな。
降着装置
降着装置の車輪の部分。普通の飛行機の車輪には動力が繋がっておらず、プロペラやジェットなどの推進装置を使って地上を移動しますが、今回のオーニソプターには動力がついており、翼をばたばたと羽ばたかさなくとも地上を移動できる、ということにしてます。
動力がなんなのかはともかく、車輪に四角い箱みたいなのがついてればそれっぽく見えるかなと思い、作ってみたのが写真のもの。車輪部分は小さなセロテープ(だと思います)の芯。それにプラ板やプラパイプをつけて原型を作り、シリコーン樹脂で型をとってます。
車輪同士や胴体へは5mm径の真鍮パイプで接続します。あらかじめ原型に真鍮パイプを短く切ったものを挿し込んだまま型をとり、シリコン型にこのパイプをつけたまま(中子というやつです)キャストを流して複製をとりました。くっついてる真鍮パイプを外せば、真鍮パイプがちょうど入る穴が開いているという次第です。
車輪は車軸が無い感じにしてます。こういう車輪を使ったバイクや自動車のデザインも結構見かけます。APRILIA MAGNETとか。
車輪の配置は尾輪のあるタイプ。鳥の脚をモチーフにしてます。V字型に曲げた真鍮パイプで主輪を繋ぎ、尾輪と胴体を繋ぐまっすぐのパイプと半田で接合してます。それだけだと重みで接合箇所が壊れるかもしれないと思い、接合部に平たい真鍮棒を渡して半田づけしてます。
まっすぐのパイプだけで胴体と繋げると、パイプを中心にぐらつくし、しっかりと固定しにくいので、さらにもう一本短いパイプを半田づけ。この2ヶ所で胴体と繋げます。
胴体の下部を細長く切断し、真鍮パイプを挿し込み、FRPをかけて、接合箇所を作ります。写真左側が前。写真の右側、短い真鍮パイプを胴体に垂直に挿し込む部分は、切り取った細長いFRPの板に穴を開けて切り取ったものを使いまわしてます。接合箇所はシートで隠します。
で、こういう取りつけ方をした為、人形を乗せたときに腰があまり沈まず、座るというより寝るといった姿勢になってしまいました。これにより人形の目線は前方ではなく斜め上を見ざるを得なくなってます。さらに頭がかなり上がってしまい、キャノピーをもっと膨らまさないといけなくなりました。
長い方の真鍮パイプは胴体にそのまま挿し込みます。短い方は胴体のほうに一回り大きい真鍮パイプを挿し込んでおり、これを降着装置側の短い真鍮パイプに挿し込んで固定します。接着はせず、いつでもバラせるようにしてます。
翼などのアタリをとる
翼、羽の大きさを決定するため、段ボールなど適当な紙を切って様子を見ます。
通常は翼を折り畳めるよう、骨組みを検討してます。タミヤの5mm径プラパイプとイエローサブマリンのボールジョイント「関節技・中」で作ってます。この折り畳み方は生物の鳥のとはかなり違う気がしますが(肩から肘にあたる箇所も無いですし)、その辺はまぁいいやってことで。
シートの骨組み
シートは4分割で作ります。それをはめ込むための枠を四角い真鍮パイプで作ってます。かまぼこの板、ガムテープ、自在クリップスタンドで真鍮パイプを固定して半田づけ。
真鍮って厚さにもよりますけど、加工しやすいですね。半田づけも普通の半田で出来るし。穴を多数、正確にあけるにはボール盤が欲しいと思いますけど。
空気取り入れ口
胴体後部両脇に、プラ板とポリパテを使って空気取り入れ口を作りました。1970年代にあったスーパーカーブームでの主役級、ランボルギーニ・カウンタックにあったやつが元ネタです。境界層付近の空気を取り込まないよう胴体から少し離してますが、高速で飛ばない(飛べない)この機体では全く意味がないですね。この辺は格好だけということで。
で、その前方にもう一つ空気取り入れ口があると良さそうな感じがしたので、3本づつスリットを開けてみました。最初はNACAダクト風にするか迷いましたが、単なるスリットにしました。MiG-29の上部エアインテイクが元ネタです。
FRPがクソ固くてなかなか開きません。結局リューターに切断砥石のビット付けて穴を開け、ダイヤモンドヤスリで整形してます。
ここ、大きな穴を一つあけて、短冊状のプラ板を接着してスリットを表現した方がいいかもしれない、と今さらになって思ってます。
前から見たところ。製作しやすいよう、機首もぶった切ってます。
ヒートプレス
切りはずしたキャノピー部分を再度はめ込み、ポリパテを盛って整形中。キャノピーのヒートプレスの原型にします。
翼の原型の製作。検討用に作った骨組みをもとにして、スタイロフォームを削ってます。ヒートプレスで作ればかなり軽くなるので良さそうと思ったのですが……。
スタイロフォームにポリパテを盛ってるところ。気泡はタミヤの光硬化パテを擦り込んでみました。この光硬化パテ、かなり高価ですが蛍光燈ですぐに硬化するので便利でした。
で、スタイロフォームを芯にしてヒートプレスなど熱がかかるものの原型を作るのは、なるべく止めた方がよさそうです……。熱した素材を当てたときに、整形してポリパテが薄くなった箇所が凸凹に変形し、失敗というのがありました。凸凹になった箇所をカッターでえぐってパテを盛り修正するはめに。これなら多少金がかかっても、バルサ材+表面を瞬間接着剤でコートって方法で原型を作るのが良さそうです。
ヒートプレスの最中。電熱コンロで熱して原型に押し当ててます。実はこの前にバキュームフォームも試したのですが、吸い込みがうまくいかず失敗してます。
このヒートプレス、プラ板や塩ビ板、アクリル板等試しましたがどれも失敗。あっという間に貴重な素材が無くなっていったので、翼に使うのは断念しました。下手くそだな俺は……。
キャノピーだけはなんとかやってます。最初にスモークの1mm厚塩ビを使いました。全面に細かいつぶつぶが発生したので、耐水ペーパーの800番から砥いでいきましたが、今度は白濁が消えません……。