製作の流れ

今回は最終的にガレージキットとして販売するということで、塗装済みの完成品ではなく無塗装バラバラ状態の複製品を作ることが最終目的になります。もちろん見本としての完成品も最低1台作ります。

とはいえ、これまでガレージキットは販売したことはないどころか、作ったこともないのでした。購入したのは工学実験機「はやぶさ」1/12モデル。これも最初の離型剤落としで大失敗し、まだ部品状態のままで組んでいないのです。

とりあえず以下の行程でやってみました。

  1. 検討用の模型を作る
  2. 原型を製作
  3. シリコーン型を作る
  4. 複製する
  5. 最低1台は塗装済みの完成品をつくり、見本とする
  6. 箱やビニール袋などを購入し、組立説明書や値札などを作成、梱包

2006年7月30日のWHF神戸24は展示のみを考えており、反応しだいで販売キットを作るかどうか考ようと思ってました。そのためまずは検討用の模型をおおざっぱに作った後、シリコーン型や複製など作らずにいきなり完成品を作るつもりでした。その後展示のみではなく販売に変更したため、完成品ではなく部品単位の原型製作に変更しました。

検討用模型製作

まずは落書きを元に、船体の中央にくる居住ブロックを製作。1mm厚プラ板で作ってます。一度に3個作ってます。八角柱とか六角柱とかってなんか好きだったりします。

表面に細いプラ板で少し装飾。あらかじめスジ掘りをしておいたプラ板を貼り、その上にエバーグリーン製の細いプラ板を貼ってます。0.25mm*1.0mmのを7mmの長さで96枚切ってます。枚数が多いので面倒くさいです。

この細いプラ板は、窓のつもりで貼ってます。進行方向と直角に貼ってるのが特徴かも。

船首を作って居住ブロックと繋げたところ。船首の後ろのほうは立体化の時点で落書きのよりかなりアレンジが入ってます。なんかスペース1999のイーグルみたい。

ということで居住ブロックを横から縦に変えました。それだけだと接合部が多くて折れそうな気がしたので、左右から居住ブロックを挟む形で長い角棒を付けました。

横のものを縦にするというのは、20年前(1986年夏)に、自主映画の宇宙船のテスト撮影で一度やったことがあるのでした。宇宙船が迫ってくるシーンの撮影で、試しに90度傾け、前から見て縦長の状態で撮影したところ、とても迫力のあるシーンになったのです。本番は考えた末横長の形で撮影したんですけど、その時のことが頭に引っかかっていたのでした。

今回のはそれほど効果的ではないかもしれませんが、多少は変わった雰囲気になったかもと思ってます。

船体下部の製作。六角形のパーツが付きます。ハニカム構造とは関係ないけど、なんか付けたくなります。漫画『武装錬金』の核金や様々な効果にも六角形がありました。話も好きだけどあの辺の意匠も好きだったり。

下の紙はA4の方眼紙。これに三面図を簡単に描いてからプラ板を切り出してます。大まかにでも描いておいたほうがイメージ掴めるし、プラ板の切り出しのときに目安になって結局楽だろうと思ったりします。

製作がかなり進んだところ。船体後部はもっと丸い感じだったのですが、かなり変わってしまいました。画面下に3個転がっているのは反物質タンク。これは1個作ってシリコーンで型作って複製とってます。そこそこ余ってたボークスの白のレジンキャストを使用。湿気てなくてよかった。

スタンドを作ってプラパイプを船体に突っ込んでみました。このときのスタンドは下に脚が3本出てるタイプですが、かなり不安定でした。

船体下部に大きめのプラパイプを入れ、スタンド穴にしています。エバーグリーンの外径7.9mmプラパイプを使用。中に外径6.3mmのパイプを挿し込めます。

斜めの箇所にも穴を開けてますが、これは縦置き用の穴。しかし横置き時にここを隠す部品は結構大きなものになるので、原型では穴の場所を最後尾に移し、穴を隠す部品を2ヶ所で共用できるようにしました。

船体から伸びる真鍮線の先に付くセンサ群。船体から離すことで船体から出る様々な影響を排除するのでした。プラ板の切った余りを適当に付けて製作。原型を作るときはこの部品がどこかに行ってしまい、最初から作る羽目になってしまいました。でも型取るの面倒で複製品にも気泡が入りやすそうな形ですね。そうでもないかな。

縦置きにしたところ。見方が変わると雰囲気も変わっていいんじゃないかなと思いますがいかがでしょうか。天橋立の股のぞきみたいなものかな?。

ほぼ完成して横置きにしたところ。上下に出ているのは探査パドル。国際宇宙ステーション等の太陽電池パドルのイメージです。これがあると探査とか調査とか宇宙とかいった雰囲気が出るかなと思い、落書きの段階からつけてたものです。

ほぼ完成時の縦置き。全長は30cm程度になるよう作りました。そこから縮尺を考えましたが、1/1500という設定にするのが良さそうと判断してます。

1/1500で適当に作ったモノを載せてみました。右の長い円柱がアポロ計画に使われたサターンⅤ(全長約111m、直径約10m)、その隣がJAXA(旧NASDA)のH-2A(全長53m……、今見ると両脇の固体ロケットブースターが長いので、何か勘違いしたかもしれません)、そのすっと左にある赤いモノがコンパクトカー(全長約4m)、緑のが6畳間の部屋。その上、横に長く伸びているのは新幹線300系。

これでみると、居住ブロック1個は14~15階建のマンションに相当します。比較できるモノを置くと、大きさを実感できますね。これらの簡易模型は製品に付けようと思ったんですけど、時間と材料(シリコーンとレジンキャスト)がなくなったので止めました。次あれば何か付けたいところです。

ということで、確か1週間で検討用模型を作ったと思います。これを基本にして気に入らないところをどうしようか考えたりしました。