作り終えて

はじめに

オリジナルメカデザインの宇宙船、「アイザック・ニュートン」の製作記事です。

これまでいくつか宇宙船のオリジナル模型を作りましたが、国別だと日本とロシアのしかありませんでした。パイオニア・スターシップ・シリーズでは先の二国に加え東西アメリカと中欧(中央ヨーロッパ)の二地域が有人超光速技術を有しているという設定です。アメリカ合衆国は分裂し、再度統一への風が吹いているところ。ヨーロッパは欧州連合(EU)が再編成され中欧連合(CEU)になり、EUとは別に活動してきた欧州宇宙機関(ESA)も中欧宇宙機関(CESA)となりました。ちなみに21世紀初頭の「中央ヨーロッパ」という概念とは異なります。

外観は、日本の「ひかり」やロシアの「スヴィエート」と比べてすぐに区別化できる必要があります。ひかりやスヴィエートが丸い感じなのに対し、中欧のは四角柱でデザインしました。ヨーロッパの建物、ゴシック建築と言われるものを参考にしています。参考にしただけで実際にできた物がゴシック建築っぽいかどうかと言うのは全く関係のない話……。

ヨーロッパと言ってもフランスやドイツ、英国、イタリアなどの各国でデザインの雰囲気も違います。物作りで重要視する点も違うらしく、それらを「ヨーロッパ」というひとまとめでくくるのは無理があります。また、購入する側、見る側の人も様々な印象や思い込みがあるはずです。国別のデザインの違いで参考にできるのは自動車でしょうか。ロケットや宇宙機だと種類が少なすぎて参考にはなりません。ロケットに興味を持たない人がアリアン5の形を見て、ヨーロピアンテイストを感じる人がどれだけいるでしょう。

なので、「中欧のロケット」でひとくくりにしているこの宇宙船は、フランスとかドイツとか言うのをあまり考えずに「ひかりやスヴィエートと雰囲気が違ってればOK」というレベルで作ってます。それでもまとまるまで結構時間がかかりました。

角柱を基本にした形というのは2009年3月にドバイのドバイタワー(ブルジュ・ハリファ)を参考に描き、そこから少しずつ変更を加えて行ってます。角を斜めにカットし、三角形を段々に付けていくという形は、2010年11月に思いついたものです。

設定

全高257.5 m
全幅22.5 m(最大 177.5 m)
構造質量4820 Mg
全備質量25000 Mg
乗員2名から6名
反物質搭載量(非公開)

2129年、中欧初の有人超光速宇宙船として作られた宇宙船。

有人化に時間がかかり、ロシアのスヴィエート、日本のひかりに先を越されることになりました。しかし従来の宇宙船の構造を利用した両者と異なり、超光速と超長距離航行に最適化した船体と、世界初の完全な超光速航行を達成した飛翔体コンコルドの流れをくむ超光速(FTL)エンジンは、ロシアのスヴィエートや日本のひかりを超える最大2光年の瞬間跳躍を可能にしています。

現在の欧州の宇宙機は、人名を付けている例が多いようです。有人の宇宙船はまだありませんが、国際宇宙ステーションへの補給機ATVには、ジュール・ヴェルヌやケプラーといった名前が付けられましたし、ハレー彗星の核の撮影に成功したジオット、土星の衛星タイタンに降下して撮影などの探査に成功したホイヘンスもそうでした。

ということで中欧の宇宙機の命名規則は、欧州の著名な人物でいくつもりです。科学者の他はSF作家や冒険者など。

今回付けた「アイザック・ニュートン」は著名な科学者で説明の必要もないと思います。同型機の2号機は「アルベルト・アインシュタイン」、これも説明の必要はないかと。

船体が「ひかり」より少し大きめになったことや、シリコーン型作りで難産したこともあり、価格設定はかなり悩みました。最初は4000円を考えていましたが、3500円くらいが妥当かと思い始め、500円というのは半端すぎるので切り上げるか切り下げるかどちらかにすべきだろうと考えた結果、ほかのと合わせて3000円で頒布ことに。