はじめに
どうせ作るなら大きめのを作りたいなあと言うことで、財布の中身とも相談した上で材料探し。100均で売られてた、直径約23cmのビニール製のボールを購入しました。数ヶ月ほったらかしにしてましたが、表面が少々べとつく程度で空気漏れなども特になし。
球体の製作
まずは経緯度を描きます。半分くらいのところに継ぎ目があるので、そこを赤道とし、へそのような箇所を北極とします。そこに全円分度器をおいて印を付け、線を引っ張っていきました。
全円分度器は100均で購入したもので、このほかに三角定規が入ってました。立体的になっていて摘みやすいようになっています。当初は造形の材料として2セット購入しましたが、本来の目的としても役に立ちました。
へその部分から赤道にあたる継ぎ目まで線を引くと、長さが若干違ってきます。継ぎ目が半分のところに来ていないのか、へそがずれているのか。その辺は適当になんとかしてます。厳密な月球儀をつくるわけではないので……といってもきちんとなってたほうが後々楽なのですが。
表面にFRPを貼って強度をまし、ディティールを付けるための土台とします。プラ板などにかけても溶かさない「スチロール樹脂」というのをかけることにしました。パーメックの他、硬化促進剤としてコバルトN(ナフテン酸コバルト溶液?)を使うやつ。
ガラス繊維にこれを染みこませれば良かったんですが、ちくちくするしいろいろと面倒なので、塗装ブースのフィルタとして使っている不織布を替わりにしてます。
作業場が汚れないよう、Amazonの箱を切って大きめの買い物袋を敷いた中で作業をします。空になった綿棒のケースをスタンドにしています。
やり直し
東急ハンズで発泡スチロール製の半球を2個購入。これに紙粘土を貼り付けて作ることにしました。直径20cmあるので、前のより一回り小さくなります。厚みがあるので、FRP等の補強は必要無しと判断してます。
紙粘土を貼り付ける前に、木工ボンドを全面に塗りました。紙粘土が食いつきやすくなるかと思いまして。
右に見える段ボールで治具をつくります。精度はその程度の物です。
段ボールで作った治具で経線(南北の線)を引いているところ。
治具に目盛りを付けており、10度ごとに経緯度を入れていきます。半球は割り箸をさしこんで、球の形に仮止めしています。
右に見える小さな発泡スチロールの球は直径5cm。もし直径20cmの球を地球として作ると、月はこの程度の大きさになります。
経緯度を描き終わったところ。南北60度までは経緯度共に10度ずつ引き、それ以降は経線を30度おきに引いています。
段ボール製治具やフリーハンドで経緯度を引いているので精密ではありません。月面図から地形を写し取るときの目安程度になればいいので。
ただ、できれば精密であるほど後が楽になります。この辺は技量や時間、予算などと相談というところでしょうか。
海との境や著名なクレーターを描いているところ。描いているうちにどっちが海でどっちが陸か判らなくなる箇所もありました。
月面図は基本的にGoogleEarthの月地図を使っています。日本の月探査機かぐやのデータを使い、裏側の地形も網羅しているので、今回の目的には一番役に立ちました。ただ、拡大すると経緯度の線が増えて確認しにくくなったり、陸と海とのコントラストが薄くなって判別しにくくなったり、いろいろと大変でしたが。
Googleのソフトは設定項目が少なくあまりいじれないし余計なソフトを入れようとしたりするので(といってもGoogleEarthとPicasaくらいしか触ったことがないのですが)あまり好みではありません。
他にはかぐやのデータで作った月の地形図、個人サイトの写真、手持ちの天文雑誌に投稿された画像などを参考にしました。個人でも非常に精細な画像を公開しているところがあって驚きます。特に次のサイトの画像は参考になりました。どうもありがとうございました。
- 月世界への招待の「月面名所めぐり」にある地形の数々
- Welcome to Kunihiko Suzuki's web siteの月面の色彩にある数々の画像
月の撮影画像ですが、南北が逆になったままのものが多いです。望遠鏡で見たままの像ですね。クレーターなど一部の地形をみるときはFirefoxのアドオン「Image Zoom」を使って画像を180度回転し、拝見しました。外国の天文雑誌は南北の方向を直して掲載しているという話をきいたことがありますが本当なのかな。オーストラリアみたいな南半球だと南が上で良さそうですが。
書籍で参考にしたのは地人書館のエリア別ガイドマップ 月面ウォッチングです。図書館から借りてました。当然ですが、汚れた手や環境で読まないよう注意しています。イラストが主体で、裏側の様子は載っていませんが、それでも非常に参考になりました。