作り終えて
はじめに
オリジナルメカデザインの宇宙船、「スヴィエート」の製作記事です。2006年と2007年のワールドホビーフェスティバルで頒布したもののリニューアル版になります。
2010年10月31日に開かれたトレフェス神戸2で、ロシアの宇宙機が好きな方と話をする機会がありました。内容はおおざっぱにしか覚えていませんが、ロシア機のもつ曲面が好みとかおっしゃっていたような。アメリカの宇宙機は洗練されてる感じとかおっしゃっていたような……。
ロシア製品というと、頑丈とか質素とか野暮ったいとかそんなイメージがあります。スタイリッシュという言葉がどこにも見あたらないという感じ、でしょうか。かなりの偏見を持った思い込みとは思いますが……。1983年の雑誌に、ソ連の自動車メーカーモスクビッチ向けにシド・ミードが描いた自動車のコンセプトデザインが載っていましたが、それもどちらかというと野暮ったい感じでした。
2011年11月14日追記。書き忘れましたが全部が全部野暮ったいわけではないです。世界初の人工衛星スプートニク1号はシンプルイズベストで非常に美しいものだと思いますし、プロトンロケットも結構好みです。でもやはり頑丈そうで華奢な感じはしないですね。
佐貫亦男さんの著書『設計からの発想』では「ソビエト人の設計――巨大模擬は巨大独創と同居する」というタイトルでソ連の宇宙開発のデザインについて書かれた箇所があります。発想横取り戦略、模擬する物がない&模擬しがたい物では素晴らしい独創力を発揮……。
なだらかでうねうねした感じ+ソユーズロケットの雰囲気で描いてみたのが2010年11月18日で、このとき描いた物がほぼ決定稿となりました。果たしてロシアっぽい雰囲気はするでしょうか。
設定
全高 | 210 m |
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全幅 | (最大)52.5 m |
構造質量 | 2800 Mg |
全備質量 | 17000 Mg |
乗員 | 2名から4名 |
反物質搭載量 | (非公開) |
2127年、初の有人超光速宇宙船として太陽系内を航行することに成功。という宇宙船。
前作のはメインエンジン周りの雰囲気を、映画「2010年」に出てきた「レオーノフ」を参考にして描きましたが、今回は放熱板をレオーノフっぽい感じにしています。他は特に参考にした作品はありません。
「スヴィエート」(Свет)とはロシア語で「光」を意味します。この辺、ネーミングについては前に書いたとおりです。同じ型の宇宙船は、日本や中央ヨーロッパでは1機1機愛称があるという設定ですが、ロシアのは「スヴィエート1」「スヴィエート2」と番号が付いているだけにしています。スヴィエートの名が付くのは3機。反物質を作るだけでも金がかかるため(21世紀初頭のよりはるかに効率の高い生成法があるという設定ですが)、それを大量に搭載する超光速宇宙船はどの国も数を作ることができず、数機あるだけということになっています。新しい船体ができから反物質を移し替え、前の船体は廃棄、別の用途に使い回しという感じで。
予定通り3000円で頒布。