日本のロケットについて、打ち上げ実績を調べてみました。資料はできるだけJAXAのサイトや書籍に掲載してあるものを使うようにしています。
なお、間違いがありましたらメールで教えていただけると非常に助かりますので、よろしくお願いいたします。誤字脱字レベルでも構いませんので。ただ、お返事や書き換えなどの反応はかなり遅くなる可能性がありますことご了承くださいませ。
はじめに
2009年の8月くらいから、韓国のロケット羅老号の話題が飛び交いました。私も韓国TV番組のブロードバンド中継を見てました。番組の演出にとまどったり(正確に言うとイライラした)、分離に成功したとか言ってたような気がしたら情報が混乱してきて結局フェアリング分離失敗で衛星軌道投入できなかったというのがわかったのが結構後になってからだったり、まぁなんだかもぅ、なんなんだろう一体。
ロシアの件とか、韓国マスコミの件とかはさておき、気になったのが掲示板やブログなどで見かけた表。各国のロケット打ち上げ成功率の表なんですけど、なんか変な気がしまして。
●成功率順位 国名 打ち上げ回数 失敗数 成功率 1 ロシア 1507 65 95.7% 2 EU 174 11 93.7% 3 アメリカ合衆国 535 37 93.1% 4 中華人民共和国 93 8 91.4% 5 日本 57 5 91.2% 6 インド 22 7 68.2% 7 イスラエル 6 2 66.7%
↑バランス調整の為空白とかいじってます。日本って失敗は5回? もう少しあったような。あとEUの順位の「2」だけ半角なのはなんでやねん←それはどうでもいいとして
ちょっと調べてみたら、たぶんWikipedia日本語版のロケットの記事、世界各国のロケット打ち上げ実績の表のコピペだろうなと思うのでした。これによると(2007年6月JAXA調べ)
とありますが……。JAXAが公開しているどんな資料を元にしたかがわからないので、数字の確認ができないのです。
ということで、日本の打ち上げデータだけでも個人的にまとめてみようと思ったのでした。
Wikipedia日本語版の表は出典元が書かれたりなど改善された模様です。が、改悪もされてます。そのへんは蛇足 その後にて。
日本の衛星打ち上げロケット
成功か失敗かは、SPACE INFORMATION CENTER : 日本のロケット以下のリンク先にあるロケットの説明を参考にしています。衛星切り離し後のアポジモータ/エンジン不具合や、人工衛星自体の不具合による失敗は含んでいません。それらは補足に書き込んでいます。
打ち上げ日は日本標準時間です。
日本の人工衛星の表ではありません。日本の人工衛星の中には、アメリカやESA、ロシアのロケットで打ち上げられたものがあるので、この表に載っている数より多くなります。
ロケットは、衛星打ち上げロケットのみです。観測ロケットや、推進薬を減らして軌道投入能力をなくしたテスト用ロケット(L-4T-1号機、1969年9月3日打ち上げ)等は含みません。
スタイルシートを使って、ISAS系のロケットは背景が青、NASDA系のロケットは背景を茶っぽい色に設定しています。通算番号と補足の説明で背景が緑は成功、赤は失敗を示しています。ISAS系は内之浦から、NASDA系のは種子島から打ち上げています。
| 通算 | 組織別 | 打ち上げ日 | 打ち上げロケット名 | ペイロード | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| 001 | 001 | 1966年9月26日 | L-4S 1号機 | 第2段が正常分離せず | |
| 002 | 002 | 1966年12月20日 | L-4S 2号機 | 第4段点火せず | |
| 003 | 003 | 1967年4月13日 | L-4S 3号機 | 第3段点火せず、第4段の点火を中止 | |
| 004 | 004 | 1969年9月22日 | L-4S 4号機 | 切り離した第3段が第4段に衝突 | |
| 005 | 005 | 1970年2月11日13時25分 | L-4S 5号機 | 試験衛星「おおすみ」 | 日本初の人工衛星 |
| 006 | 006 | 1970年9月25日 | M-4S 1号機 | 試験衛星MS-F1 | 第4段点火以降動作せず |
| 007 | 007 | 1971年2月16日13時00分 | M-4S 2号機 | 試験衛星MS-T1「たんせい」 | 成功 |
| 008 | 008 | 1971年2月16日13時00分 | M-4S 3号機 | 科学衛星MS-F2「しんせい」 | 日本初の科学衛星 |
| 009 | 009 | 1972年8月19日11時40分 | M-4S 4号機 | 電波観測衛星REXS「でんぱ」 | 成功 |
| 010 | 010 | 1974年2月16日14時00分 | M-3C 1号機 | 試験衛星MS-T2「たんせい2号」 | 成功 |
| 011 | 011 | 1975年2月24日14時25分 | M-3C 2号機 | 太陽観測衛星SRATS「たいよう」 | 成功 |
| 012 | 001 | 1975年9月9日14時30分 | N-I 1号機 | 技術試験衛星I型ETS-I「きく1号」 | NASDA初の人工衛星 |
| 013 | 012 | 1976年2月4日15時 | M-3C 3号機 | X線天文衛星CORSA | 第2段制御系不具合 |
| 014 | 002 | 1976年2月29日12時30分 | N-I 2号機 | 電離層観測衛星ISS「うめ」 | 成功 |
| 015 | 013 | 1977年2月19日14時15分 | M-3H 1号機 | 試験衛星MS-T3「たんせい3号」 | 成功 |
| 016 | 003 | 1977年2月23日17時50分 | N-I 3号機 | 技術試験衛星II型ETS-II「きく2号」 | 日本初の静止衛星 |
| 017 | 014 | 1978年2月4日16時00分 | M-3H 2号機 | オーロラ観測衛星EXOS-A「きょっこう」 | 成功 |
| 018 | 004 | 1978年2月16日13時00分 | N-I 4号機 | 電離層観測衛星ISS-b「うめ2号」 | 成功 |
| 019 | 015 | 1978年9月16日14時00分 | M-3H 3号機 | 磁気圏観測衛星EXOS-B「じきけん」 | 成功 |
| 020 | 005 | 1979年2月6日17時46分 | N-I 5号機 | 実験用静止通信衛星ECS「あやめ」 | 静止トランスファ軌道投入までは成功 アポジモータ点火後に通信途絶 |
| 021 | 016 | 1979年2月21日14時00分 | M-3C 4号機 | X線天文衛星CORSA-b「はくちょう」 | 成功 |
| 022 | 017 | 1980年2月17日9時40分 | M-3S 1号機 | 試験衛星MS-T4「たんせい4号」 | 成功 |
| 023 | 006 | 1980年2月22日17時35分 | N-I 6号機 | 実験用静止通信衛星ECS-b「あやめ2号」 | 静止トランスファ軌道投入までは成功 アポジモータ不具合で静止軌道投入失敗 |
| 024 | 007 | 1981年2月11日17時30分 | N-II 1号機 | 技術試験衛星IV型ETS-IV「きく3号」 | 成功 |
| 025 | 018 | 1981年2月21日9時30分 | M-3S 2号機 | 太陽観測衛星ASTRO-A「ひのとり」 | 成功 |
| 026 | 008 | 1981年8月11日5時03分 | N-II 2号機 | 静止気象衛星GMS-2「ひまわり2号」 | 静止軌道 |
| 027 | 009 | 1982年9月3日14時00分 | N-I 7号機 | 技術試験衛星III型ETS-III「きく4号」 | 成功 |
| 028 | 010 | 1983年2月4日17時37分 | N-II 3号機 | 実験用静止通信衛星CS-2a「さくら2号a」 | 静止軌道 |
| 029 | 019 | 1983年2月20日14時10分 | M-3S 3号機 | X線天文衛星ASTRO-B「てんま」 | 成功 |
| 030 | 011 | 1983年8月6日5時29分 | N-II 4号機 | 実験用静止通信衛星CS-2b「さくら2号b」 | 静止軌道 |
| 031 | 012 | 1984年1月23日16時58分 | N-II 5号機 | 実験用中継衛星BS-2a「ゆり2号a」 | 静止軌道 |
| 032 | 020 | 1984年2月14日17時00分 | M-3S 4号機 | 中層大気観測衛星EXOS-C「おおぞら」 | 成功 |
| 033 | 013 | 1984年8月3日5時03分 | N-II 6号機 | 静止気象衛星GMS-3「ひまわり3号」 | 静止軌道 |
| 034 | 021 | 1985年1月8日4時26分 | M-3SII 1号機 | ハレー彗星探査試験機MS-T5「さきがけ」 | 全段固体ロケットによる初の地球脱出 |
| 035 | 022 | 1985年8月19日8時33分 | M-3SII 2号機 | ハレー彗星探査機PLANET-A「すいせい」 | 成功 |
| 036 | 014 | 1986年2月12日16時55分 | N-II 8号機 | 実験用中継衛星BS-2b「ゆり2号b」 | 静止軌道 |
| 037 | 015 | 1986年8月13日5時45分 | H-I 試験機1号機 | 測地実験衛星EGS「あじさい」
磁気軸受フライホイール実験装置MABES「じんだい」 アマチュア衛星JAS-1「ふじ1号」 |
成功 |
| 038 | 023 | 1987年2月5日15時30分 | M-3SII 3号機 | X線天文衛星ASTRO-C「ぎんが」 | 成功 |
| 039 | 016 | 1987年2月19日10時23分 | N-II 7号機 | 海洋観測衛星MOS-1「もも1号」 | 成功 |
| 040 | 017 | 1987年8月27日18時20分 | H-I 試験機2号機 | 技術試験衛星V型ETS-V「きく5号」 | 静止軌道 |
| 041 | 018 | 1988年2月19日19時05分 | H-I 3号機 | 実験用静止通信衛星CS-3a「さくら3号a」 | 静止軌道 |
| 042 | 019 | 1988年9月16日18時59分 | H-I 4号機 | 実験用静止通信衛星CS-3b「さくら3号b」 | 静止軌道 |
| 043 | 024 | 1989年2月22日8時30分 | M-3SII 4号機 | 磁気圏観測衛星EXOS-D「あけぼの」 | 20年以上に渡って運用中 |
| 044 | 020 | 1989年9月6日4時11分 | H-I 5号機 | 静止気象衛星GMS-4「ひまわり4号」 | 静止軌道 |
| 045 | 025 | 1990年1月24日20時46分 | M-3SII 5号機 | 工学実験衛星MUSES-A「ひてん」「はごろも」 | 月面に落下させて終了 |
| 046 | 021 | 1990年2月7日10時33分 | H-I 6号機 | 海洋観測衛星MOS-1b「もも1号b」
伸展展開機能実験ペイロードDEBUT「おりづる」 アマチュア衛星1号-b JAS-1b「ふじ2号」 |
成功 |
| 047 | 022 | 1990年8月28日18時05分 | H-I 7号機 | 実験用中継衛星BS-3a「ゆり3号a」 | 静止軌道 |
| 048 | 023 | 1991年8月25日17時04分 | H-I 8号機 | 実験用中継衛星BS-3b「ゆり3号b」 | 静止軌道 |
| 049 | 026 | 1991年8月30日11時30分 | M-3SII 6号機 | 太陽観測衛星SOLAR-A「ようこう」 | 成功 |
| 050 | 024 | 1992年2月11日10時50分 | H-I 9号機 | 地球資源衛星JERS-1「ふよう1号」 | 成功 |
| 051 | 027 | 1993年2月20日11時00分 | M-3SII 7号機 | X線天文衛星ASTRO-D「あすか」 | 成功 |
| 052 | 025 | 1994年2月4日7時20分 | H-II 試験機1号機 | 軌道再突入実験OREX「りゅうせい」
H-II性能確認用ペイロードVEP「みょうじょう」 |
NASDA系衛星打ち上げロケット初の純国産 |
| 053 | 026 | 1994年8月28日16時50分 | H-II 試験機2号機 | 技術試験衛星VI型ETS-VI「きく6号」 | 18日の打ち上げでは外部ロケットブースターが点火せず、打ち上げ中断 28日は打ち上げに成功したが、アポジエンジンの不具合により静止軌道投入できず |
| 054 | 028 | 1995年1月15日22時45分 | M-3SII 8号機 | 回収型衛星EXPRESS | 第2段に不具合、衛星はその後回収 |
| 055 | 027 | 1995年3月18日17時01分 | H-II 試験機3号機 | 静止気象衛星GMS-5「ひまわり5号」
宇宙実験・観測フリーフライヤーSFU |
静止軌道 |
| 056 | 028 | 1996年8月17日10時53分 | H-II 4号機 | 地球観測プラットフォーム技術衛星ADEOS「みどり」
アマチュア衛星3号JAS-2「ふじ3号」 |
成功 |
| 057 | 029 | 1997年2月12日13時50分 | M-V 1号機 | 電波天文観測衛星MUSES-B「はるか」 | 成功 |
| 058 | 029 | 1997年11月28日6時27分 | H-II 6号機 | 熱帯降雨観測衛星TRMM
技術試験衛星VII型ETS-VII「きく7号」(ひこぼし、おりひめ) |
きく7号「おりひめ」「ひこぼし」はランデブ・ドッキング技術などの修得 |
| 059 | 030 | 1998年2月21日16時55分 | H-II 5号機 | 通信放送技術衛星COMETS「かけはし」 | 第2段エンジンの早期停止により予定外の軌道に投入 |
| 060 | 030 | 1998年7月4日3時12分 | M-V 3号機 | 火星探査機PLANET-B「のぞみ」 | 打ち上げは成功 機器の不具合等で火星周回軌道には乗れず |
| 061 | 031 | 1999年11月15日6時27分 | H-II 8号機 | 運用多目的衛星MTSAT | 第1段エンジンの早期停止により飛翔経路がずれ、指令破壊 |
| 062 | 031 | 2000年2月10日10時30分 | M-V 4号機 | X線天文衛星ASTRO-E(ひりゅう) | 第1段ノズル破損により飛翔経路がずれ、軌道投入失敗 |
| 063 | 032 | 2001年8月29日16時00分 | H-IIA 試験機1号機 | レーザ測距装置LRE
H-IIAロケット性能確認用ペイロード2型 VEP-2 |
成功 |
| 064 | 033 | 2002年2月4日11時45分 | H-IIA 試験機2号機 | 民生部品・コンポーネント実証衛星MDS-1「つばさ」
高速再突入実験機 DASH 性能確認用ペイロード VEP-3 |
打ち上げは成功 DASHは分離が確認できず、実験中止 |
| 065 | 034 | 2002年9月10日17時20分 | H-IIA 3号機 | データ中継技術衛星DRTS「こだま」
次世代型無人宇宙実験システム USERS |
成功 |
| 066 | 035 | 2002年12月14日10時31分 | H-IIA 4号機 | 環境観測技術衛星ADEOS-II「みどりII」
小型実証衛星マイクロラブサット1号機 鯨生態観測衛星WEOS「観太くん」 豪州小型衛星 Fed Sat |
成功 |
| 067 | 036 | 2003年3月28日 | H-IIA 5号機 | 情報収集衛星IGS | 成功 |
| 068 | 032 | 2003年5月9日13時29分 | M-V 5号機 | 小惑星探査機MUSES-C「はやぶさ」 | 成功、はやぶさも2010年6月に帰還しサンプルリターン成功 |
| 069 | 037 | 2003年3月28日13時33分 | H-IIA 6号機 | 情報収集衛星2号機 | 固体ロケットブースター1本が分離できず、指令破壊 |
| 070 | 038 | 2005年2月26日18時25分 | H-IIA 7号機 | 運輸多目的衛星新1号MTSAT-1R「ひまわり6号」 | 成功 |
| 071 | 033 | 2005年7月10日12時30分 | M-V 6号機 | X線天文衛星ASTRO-EII「すざく」 | 成功 |
| 072 | 039 | 2006年1月24日10時33分 | H-IIA 8号機 | 陸域観測技術衛星ALOS「だいち」 | 成功 |
| 073 | 040 | 2006年2月18日15時27分 | H-IIA 9号機 | 運輸多目的衛星新2号MTSAT-2「ひまわり7号」 | 成功 |
| 074 | 034 | 2006年2月22日6時28分 | M-V 8号機 | 赤外線天文衛星ASTRO-F「あかり」
ソーラーセイル膜面展開実験ペイロード SSP 超小型衛星 Cute-1.7+APD |
成功 |
| 075 | 041 | 2006年9月10日 | H-IIA 10号機 | 情報収集衛星 | 成功 |
| 076 | 035 | 2006年9月23日6時36分 | M-V 7号機 | 太陽観測衛星SOLAR-B「ひので」
超小型衛星 HIT-SAT ソーラー電力セイル実証超小型衛星 SSSAT |
M-Vの運用終了 |
| 077 | 042 | 2006年12月18日15時32分 | H-IIA 11号機 | 技術試験衛星VIII型ETS-VIII「きく8号」 | 成功 |
| 078 | 043 | 2007年2月24日 | H-IIA 12号機 | 情報収集衛星レーダ2号機
光学3号機実証衛星 |
成功 |
| 079 | 044 | 2007年9月14日10時31分 | H-IIA 13号機 | 月周回衛星SELENE「かぐや」 | 成功 |
| 080 | 045 | 2008年2月23日17時55分 | H-IIA 14号機 | 超高速インターネット衛星WINDS「きずな」 | 成功 |
| 081 | 046 | 2009年1月23日12時54分 | H-IIA 15号機 | 温室効果ガス観測技術衛星GOSAT「いぶき」
小型実証衛星1型 SDS-1 スプライト観測衛星SPRITE-SAT「雷神」 地域産業活性化・雷観測 SOHLA-1「まいど1号」 超小型衛星バス技術試験・実証他「PRISM」 航空高専衛星 KKS-1 テザー宇宙ロボット技術実証実験他 STARS「KUKAI」 小型人工衛星「かがやき」 |
成功 |
| 082 | 047 | 2009年9月11日2時01分 | H-IIB 試験機 | HTV技術実証機 | 成功 |
| 083 | 048 | 2009年11月28日10時21分 | H-IIA 16号機 | 情報収集衛星光学3号機 | 成功 |
| 084 | 049 | 2010年5月21日6時58分 | H-IIA 17号機 | 金星探査機PLANET-C「あかつき」
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」 深宇宙衛星(惑星)UNITEC-1「しんえん」 小型人工衛星 WASEDA-SAT2 大気水蒸気観測衛星 KSAT「ハヤト」 CubeSat「Negai☆″」 |
成功、あかつきの金星周回軌道投入は失敗するが軌道再投入の可能性が残る |
| 085 | 050 | 2010年9月11日20時17分 | H-IIA 18号機 | 準天頂衛星初号機「みちびき」 | 成功 |
| 086 | 051 | 2011年1月22日14時37分 | H-IIB 2号機 | 宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)2号機 | 成功、第2段制御落下実験も計画通り終了 |
| 087 | 052 | 2011年9月23日13時36分 | H-IIA 19号機 | 情報収集衛星光学4号機 | 成功 |
| 088 | 053 | 2011年12月12日10時21分 | H-IIA 20号機 | 情報収集衛星レーダ3号機 | 成功 |
SPACE INFORMATION CENTER : Mでは、ミューロケットの打ち上げについて、1998年までに27回打ち上げ、24回成功しています。
とあります。3回の失敗は上記の表にもあるとおり、M-4S 1号機の試験衛星MS-F1、M-3C 3号機のX線天文衛星CORSA、M-3SII 8号機のEXPRESSの事だと思います。しかしISAS | 衛星打上げ用ロケット / ロケットでは、1998年のM-V 3号機までで、ミューシリーズは25回になっています。2回、テストか何かで打ち上げたものがあるんでしょうか?
打ち上げ予定
2011年度はH-ⅡAで水循環変動観測衛星「GCOM-W1」と、H-ⅡBでこうのとり3号機の打ち上げが予定されています。
内之浦から打ち上がるイプシロンロケットはまだ先の話……。早くみたいものです。
ロケット別打ち上げ回数
2011年12月12日現在の数字です。最新の打ち上げが2011年12月12日のH-ⅡAロケット20号機。
1966年9月26日、L-4S 1号機による挑戦から数えると、2011年12月時点での打ち上げ数88回。うち成功77回、失敗11回。
| 打ち上げロケット名 | 運用年 | 通算 | 成功数 | 失敗数 | 成功率(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 1966年~ | 88 | 77 | 11 | 87.5 |
| L-4S | 1966年~1970年 | 5 | 1 | 4 | 20.0 |
| M-4S | 1970年~1972年 | 4 | 3 | 1 | 75.0 |
| M-3C(M-3H含む) | 1974年~1979年 | 7 | 6 | 1 | 85.7 |
| N-I | 1975年~1980年 | 7 | 7 | 0 | 100.0 |
| M-3S | 1980年~1984年 | 4 | 4 | 0 | 100.0 |
| N-II | 1981年~1987年 | 8 | 8 | 0 | 100.0 |
| M-3SII | 1985年~1995年 | 8 | 7 | 1 | 87.5 |
| H-I | 1986年~1992年 | 9 | 9 | 0 | 100.0 |
| H-II | 1994年~1999年 | 7 | 5 | 2 | 71.4 |
| M-V | 1997年~2006年 | 7 | 6 | 1 | 85.7 |
| H-IIA | 2001年~ | 20 | 19 | 1 | 95.0 |
| H-IIB | 2009年~ | 2 | 2 | 0 | 100.0 |
- 1970年からだと成功率は91.7%、1980年からだと94.0%。1990年からだと88.6%。
- 21世紀に入ってからだと(ちょうどH-IIA、Bが運用されます)、26回打ち上げて失敗は1回、成功率96.1%。
- というか成功率ってのはある程度手法なんかが固まって、一種類のロケットにつき50回だの100回だの飛ばしてから計算しないと意味がないかもしれません。
ロケット
日本のロケットは大きく二つの系統に別れます。旧ISASによる全段固体ロケットと、旧NASDAによる液体ロケットの系列です。
ISAS(アイサス:宇宙科学研究所)とNASDA(ナスダ:宇宙開発事業団)、これにNAL(ナル:航空宇宙技術研究所)をあわせ、2003年10月1日にJAXA(ジャクサ:宇宙航空研究開発機構)となりました。
NALやNASDAという名称は無くなりましたが、ISASの名称は宇宙科学研究本部(ISAS:Institute of Space and Astronautical Science)として残っています。2010年4月1日、名称が再び「宇宙科学研究所」になりました。
蛇足
ということで例の表ですが、2007年6月の時点で打ち上げが57回、失敗が5回と書かれてます。失敗についてはたぶん下記の5回だろうと思います。
- 第4段点火以降動作せず試験衛星を消失したM-4S 1号機
- X線天文衛星CORSAを軌道に載せられず消失したM-3C 3号機
- 指令破壊したH-II8号機
- X線天文衛星ASTRO-Eを消失したM-V 4号機
- 指令破壊したH-IIA 6号機
さらにこのページで失敗としたのは以下の6回。判断は最初にも書いたとおり、SPACE INFORMATION CENTER : 日本のロケット以下のリンク先にあるロケットの説明を参考にしています。
- 最初の挑戦、L-4S 1号機
- L-4S 2号機
- L-4S 3号機
- L-4S 4号機
- 回収型衛星EXPRESSを予定の軌道に載せられなかったM-3SII 8号機
- 第2段エンジンの早期停止により衛星を予定の軌道に投入できなかったH-II 5号機
打ち上げ回数の食い違いについては判りません。2007年6月の時点では78回打ち上げてます。それが57回というと、21回分どれを打ち上げに含めないとするのか、その辺の判断基準はなんなんだろうと思ったのですが、もう面倒なのでここでおしまい。
(たぶん)出典元判明?
とかいいつつさらに調べてみたら、2ちゃんねるの科学ニュース+板の発言を発見。
33 :名無しのひみつ[sage]:2008/10/21(火) 21:20:21 ID:++0ztpgo
>>3
米露の数字が少なすぎる。
ソユーズ系だけでも1700超えてるはず。
34 :名無しのひみつ[sage]:2008/10/21(火) 21:30:40 ID:01f6Xidm
http://www.jaxa.jp/pr/jaxas/pdf/jaxas014.pdf
1980/1/1からの実績らしい。
まぁ昔のことは分からないから仕方ない気もするが。
ということで機関誌JAXA'sのバックナンバーから、2007.06.1発行の014号[注意:PDF書類]を拝見したところ、16頁に成功率を示した棒グラフがありました。数字を見ると、確かにこれが出典元みたいな感じですね。失敗数ではなく成功数が書かれているという違いがありますが、これは打ち上げ数から引けば出る数字ですし。
さらに図の下に注記が。
*1980年1月1日~2007年4月30日までの打ち上げ実績による *ロシアは旧ソ連、ウクライナを含む *上記分類をまたぐ多国籍企業(シーロンチ社、インターナショナルロンチサービシズ社、ユーロコット社、 スターセム社)による打ち上げは除く
1980年からだったのか……。1980年2月17日打ち上げのM-3S 1号機(ここで作った表だと全体で22番目)から、2007年2月24日打ち上げのH-IIA 12号機(78番目)だと、確かに57回。この間の失敗は確かに5回。(少なくとも日本に関しては)間違いありません。
1980年より前を切っているのはなぜでしょう。日本だけだと数字をはっきり出せますが、米ソ中(特にソと中)あたりの数字が怪しくなってくるからでしょうか? とはいえ、数字の中にマーキュリーやジェミニどころかアポロ計画(アポロ・ソユーズ計画含む)等が入らないってのは、ちょっと悲しい気がします。サターンVの打ち上げ回数が入らないのか~。ソ連だと、数百機単位で削られている予感。
ということで、最初に書いた各国のロケット打ち上げ成功率の表を引用する時は、最低でも「1980年から」の一言を添えておいたほうがいいと思います。1957年10月のスプートニク1号からだと思っていると数が合わなくなるので注意が必要です。
その後
2010年1月11日追記。
Wikipedia日本語版のロケット打ち上げ実績の表は、9月24日に出典元等が追記されたみたい。編集した方、お疲れさまです。
とか思ってたら、JAXAのデータが消されて中央日報のデータに差し替えられたりしたみたい。なんじゃこりゃ。
9月26日からJAXAと中央日報の両者が併記されてますが……。出典元である中央日報「宇宙ロケット「羅老」の成否が分かるのは打ち上げ9分後」では以下のように書かれています。
世界的にロケットを自国開発し保有している国は米国・ロシア・フランス・日本・中国・英国・インド・イスラエル・イランの9カ国。ロケットを50回以上打ち上げている上位5カ国の成功率を見ると、ロシアがトップだ。ロシアはスプートニク号から2770回もロケットを打ち上げ、成功率は93.5%にのぼる。米国は1316回で87.5%、ヨーロッパは143回で89.5%、中国は68回で82.4%、日本は61回で85.2%の成功率となっている。
中央日報の記事のは数値の条件が明記されていないので、この数値が何を意味しているのかがよく分からないのですね。ロシアはスプートニク号から2770回もロケットを打ち上げ
とあるので、人工衛星第1号からのデータだろうと推測できますが、それにしては日本が61回と少なかったり、ヨーロッパや中国の回数もJAXAのデータと比べて少ないなど、何をどういう基準に沿って数えたかが全く分からないのでした。それをJAXAのデータとすり替えたり併記したりするってのは、それこそ味噌も糞も一緒って事になります。
出典を書いたからOKじゃなく、その出典の信憑性も問われるべきですね。私がそういうミスやらかしたことあるので身につまされる思いですけど。
その後2010年1月30日に中央日報のデータが削除され、しばらくそのままみたい。ということでこの件はこれまで。
参考
ウェブサイト
- JAXA|ロケット・輸送システム
- JAXAのサイトから。基本的にここに書かれている情報を元にしました。
- ISAS | 衛星打上げ用ロケット / ロケット
- JAXAのサイトから。ISASによる衛星打ち上げロケットの全記録があります。
- ISAS | 宇宙科学研究本部の科学衛星ミッション一覧 / 活動内容
- ISASが手がけてきた人工衛星、探査機の情報です。打ち上げ日や現在の状況、軌道要素などがまとめられており、打ち上げに使われたロケットや各衛星への詳しい情報があるページへリンクされています。
- フォトアーカイブス | ロケット・輸送システム
- JAXAのサイトから。
- 日本の宇宙開発の歴史
- ペンシルロケットから始まるISASのロケットの歴史です。
- 財団法人無人宇宙実験システム研究開発機構(USEF)
- フリーフライヤーやEXPRESS、USERS等の情報があります。
書籍
- 日本ロケット物語
- 発行:三田出版会
- 定価:2500円(本体2427円)
- ISBN4-4-89583-150-7