はじめに
印刷に使うFirefoxの設定などについて書いておきます。
標準だとルビが表示できない他、多少使いにくい点が(個人的に)あります。その辺をカスタマイズします。
基本的にWindowsでの話です。Macやlinux系だと異なる点があります。Windows7でクラシック表示で使っているので、スクリーンショットもそのようになっています。
インストール
インストーラは公式サイトでダウンロードしています。トップページや各国語版の Firefox をダウンロードのページから、インストーラをダウンロードできます。
インストールの手順は公式サイトにあります。参考の画像が英語表記になっていますが、実際のインストールでは日本語で進むと思います。少なくともWindows7日本語版では日本語で進んでいきました。
昨今は市販ソフトでもフリーソフトでも、妙なソフトやツールバーなどをインストールしようとするものがあります。カスタムではなく標準インストールだと選択肢も出さずインストールするとか。
Firefoxでは今のところ(公式サイトのを使う限り)そういうのは無かったです。一応、標準インストールではなくカスタムインストールを選択していますが、特に妙な事は無く、割と安心しています。
オプション
フォントの大きさや種類など、一部の設定を確認しておきます。
オプションによる設定は、公式のヘルプ設定ウィンドウ - コンテンツパネルに解説があります。

Altキーを押してメニューバーを出し、[ツール]→[オプション]でオプションのダイアログを出します。

オプションの[コンテンツ]タブで、規定のフォントとサイズを指定します。この辺は印刷用CSSで指定しますが、一応オプションでも設定しといた方がいいかもと思いまして。
サイズの単位はピクセルです。12ポイントだと16ピクセルですが、冊子印刷だと縮小されるので少し小さめになります。そのため、印刷プレビューと普通のブラウザ画面を見比べ、同じ箇所で改行されるよう数値を設定しています。
続いて右にある[詳細設定]のボタンを押します。

- 最小フォントサイズは「なし」
- 「Webページが指定したフォントを優先する」にチェックを入れる
とりあえず上記2箇所はチェック。デフォルトでそのようになってた気がしますが一応確認します。最小フォントサイズが指定していた場合、小さめの指定が効かなくなる場合があります。
[詳細設定]ボタンの下に[配色設定]がありますが、ここでも「Webページが指定した配色を優先する」にチェックが入っているか確認しておきます。
ルビ表示を追加
Firefoxは現在のところ(Firefox35.0)ルビに対応していません。ルビを使わないならそれでいいのですが、ルビを表示させる方法はいくつかあります。
- 拡張機能だけで使う方法
- アドオン(機能拡張)のHTML Rubyを使う
- ルビのCSSを用意して適用させる方法
- アドオン(機能拡張)のStylish+ユーザースタイルシートを使う
- ユーザースタイルシート(プロファイルフォルダ\chrome\userContent.css)を作成する
- 印刷用スタイルシートにルビ関連の指定を書く
拡張機能を使う
Firefoxには機能を追加するためのソフトウェア「アドオン」が大量にあります。アドオンには3種類有り、機能を追加する機能拡張、ブラウザの外観を変えるテーマ 、扱うファイル形式を増やすプラグインがあります。
ここではルビ機能を追加するHTML Ruby ベータ版を使います。
機能拡張の紹介ページからダウンロードできる正式のバージョン6.22.3は少し古く、最近のFirefoxだと問題があったような気がするので(数年前の話でよく覚えていないという)、ベータ版をインストールしてます。
2015年01月14日時点で最新のベータ版は8.0.0-beta11ですが、なぜか印刷プレビューと印刷ではルビとして表示されません。また、他の8系はローカルファイルに対応していません。そのため、バージョン 7.2.0-beta1を使っています。
印刷とは関係ないですが、小説投稿サイト小説家になろうの作品を読むときも、HTML Ruby 7.2.0-beta1が良さそうです(覚書 - <Ex-1> Firefoxでルビを上手に表示する)。
ルビのCSSを使う
ルビをうまく表示するCSSを用意し、Firefoxに使うという方法があります。
CSSは自作するか、公開されているCSSをコピーして使います。
「しらぎくのウェブサイト作成入門」で公開されているものは、両面ルビに対応してるのが凄いです。
ただ、小冊子作成用に作ったHTML+CSSで表示すると、なぜかルビの文字が左寄せになってしまいます。ネット上のコンテンツはうまく表示されるので、私の作りに問題があると思うのですが、原因究明は面倒になりそうなので中止してます。
ということでHTML Ruby 7.2.0-beta1入れるのが簡単でいいと思います。
アドオン
印刷用Firefoxにはテーマとプラグインは何も入れていません。拡張機能は5個入れていますが、とりあえず必要なのは前述の「HTML Ruby」くらいかも。他は使い勝手を向上させるために入れたものです。
以下、公式のAdd-ons for Firefoxの紹介&ダウンロードページにリンクしています。使い勝手の善し悪しは人それぞれです。人によっては必要ないかもしれません。
- Classic Bookmarks Button
- 旧ブックマークボタンの再現
- Classic Theme Restorer
- 旧Firefoxの使い勝手を再現(リロードボタンをアドレスバーの外に移動するとか)
- Context Style Switcher
- スタイルシート切り替えを右クリックメニューやアイコンから行えるようにする
- Status-4-Evar
- ステータスバーを復活
「旧」とあるのは、バージョン28以前のFirefoxの事です。2014年4月末に公開されたFirefox29から見た目や使い勝手がかなり変わりました。個人的には使いづらくなった点があるので、その辺をカスタマイズするために入れています。
ツールバーなど変更

インストール直後のFirefoxの画面です。解説用のスクリーンショットを撮るため、縦横共に小さくしています。
ツールバーのアイコンですが、印刷専用のFirefoxだと印刷のアイコンがあると便利です。そのあたりいろいろ変更してみます。

私が使っている印刷用Firefoxの画面です。
ツールバーのアイコンは、左から「戻る」「進む」「(旧)ブックマーク」「印刷」「リロード」「アドレスバー(ロケーションバー)」。
印刷のアイコンは、クリックすると印刷プレビューの画面になります。元に戻るときは右上の閉じるボタンをクリックします。
下にはステータスバーを付けています。左の「- 100% +」は拡大縮小。続いて「スタイルシート切り替え」「stylish」のアイコンです。

ツールバーなどのカスタマイズはツールバーをカスタマイズする方法 | Firefox ヘルプを参照してください。
- メニューボタン(漢字の「三」みたいなアイコン)→左下のカスタマイズをクリックし、カスタマイズの画面を出す
- アイテムをドラッグ&ドロップで移動し、配置したり外したりする
- 完了したら右下の薄緑色になっているカスタマイズを終了をクリック
カスタマイズ画面を出す別の手順ですが、ツールバーのアイコンで右クリック→メニュー下の[カスタマイズ]をクリックしても行けます。
初期設定に戻す場合は初期設定に戻すボタンを、配置換えしたけど無かったことにしたい場合はESCキーを押せば元に戻る、と思います。
印刷設定
書式とオプション

以下は私の設定です。
- 印刷方向は「縦」(たぶんデフォルト)
- 拡大縮小は100%。「用紙にあわせて縮小」にはチェックを入れない
- オプションの「背景色と背景画像も印刷」はチェックを入れる
「用紙にあわせて縮小」ですが、大きめの画像を印刷するときは結構便利です。100%だとはみ出るような画像でも、うまく調整してくれます。
文字も若干縮小されました。100%で横47文字×縦41行書けたとき、「用紙にあわせて縮小」だと横50文字×縦44行になったり。
ただ、改ページ関係で面倒になったことがありました。表紙や裏表紙の次に空白ページができる事がたびたびあったり。
その辺のトラブルが面倒になったので、普段はチェックを入れていません。
「背景色と背景画像も印刷」へのチェックは、一部背景色を指定しているスタイルがあるためです。
余白とヘッダ/フッタ

余白のデフォルトは12.7mmでした。印刷範囲を広げるよう、数値を変えています。
ヘッダは上の余白部分に、フッタは下の余白部分に書かれるようです。
左右2mmとっているのは、製本後カッターで小口を切りそろえるときに若干余裕があった方がいいからと、0mmだとちょっと窮屈な感じがしたためです。
下に5mmとってあるのは、フッタとしてページ番号を書くためです。ヘッダには何も指定していないので0mmにしています。
ということでヘッダの指定は無し。フッタは中央にページ番号を指定。
ヘッダとフッタに書ける文字はメニューから選びます。「タイトル」はtitle要素の文字列。「ユーザ設定」は任意の文字列を書きます。
この後はプリンタドライバの仕事になります。
印刷専用Firefoxを併用する
普段Firefoxを使っている場合、それを印刷用にも使うことはできますが、印刷専用にカスタマイズしたFirefoxを併用した方が便利かもしれません。
ということでプロファイルを新規に作り、併用する方法です。
少なくとも一度はFirefoxを起動終了させ、デフォルトのプロファイルを作成しておくこと。普段Firefoxを使っている人なら問題ありませんが、新規にFirefoxをインストールし、メイン+印刷など別用途用にも使う場合は注意が必要です。
新規プロファイル作成
起動オプションの詳細はコマンドラインオプション - Mozilla | MDNを参照。

- 起動中のFirefoxを全て終了させる。
- Windowsの「ファイル名を指定して実行」から「firefox -P」と入力、OKをクリック。

- プロファイルマネージャが起動するので、新しいプロファイルを作成をクリック。

- プロファイル作成ウィザードが起動する。次へボタンをクリック。

- プロファイルの名前を入力。「print」とか。
- ユーザーデータ等の保存先は好みで指定。
- 完了ボタンをクリックすると新規プロファイルが作成される。
プロファイルの名前に空白文字は使えません。また、アルファベットの大文字小文字を区別するので、混在には注意が必要です。無用なトラブルを避けるためにも普通の英数字を使った方がいいと思います。

- ユーザープロファイルの選択画面に戻る。
- defaultのプロファイルを選択してから、[今後このプロファイルを使用する]にチェックが入っているのを確認。
- とりあえず終了。
この画面に戻ったとき、新しく作ったプロファイルが選択された状態で「今後このプロファイルを使用する」にチェックが入っていると思います。このまま終了させると、次からは新しく作ったプロファイルでFirefoxが起動することになるので、defaultのプロファイルを選択し直しておきます。
起動用ショートカット作成
- 通常の起動用ショートカットアイコンをコピーし、名前を印刷用に変更。
- 起動オプションとして「 -P "print" -no-remote」と入力、保存(プロファイル名が「print」の場合)。
オプションの意味は次の通りです。
- -P "プロファイル名"
- 二重引用符で囲まれた名前が付いたプロファイルでFirefoxを起動する
- -no-remote
- Firefoxを複数起動できるようにする
ショートカットアイコンの場合は、プロパティのショートカットタブ、「リンク先」の末尾「firefox.exe」に続いて起動オプションを追記。「-P」の前には空白を置くこと。

ソフトウェアの起動にランチャを使っている場合は、登録名や起動オプションなどを変更。
画像は私が使用している「ぷちらんちゃ」(Solo Celebration...)の登録画面。Firefoxインストール時に作るショートカットを登録しておき、それをコピーしたものを印刷用に変更しています。
印刷用Firefox起動
ショートカットやランチャなどから印刷用Firefoxを起動します。
最初はまっさらの状態なので、設定変更や必要なアドオンを入れたりなど、カスタマイズしていきます。
拡張機能
アドオンのうち拡張機能は、最初は何もインストールされていません。必要なものをインストールしていきます。
メインのFirefoxで拡張機能を更新しても、他のプロファイルのFirefoxでは更新されません。各プロファイルごとに更新が必要です。
プラグイン
プラグインは、他のプロファイルのFirefoxと同じものが入っています。有効・無効を適時変更しておきます。
本体の更新
Firefox本体のアップデートは、一つアップデートすれば全てが同じバージョンに変更されます。最初の起動時にアドオンの照合が行われます。
異なったバージョンの併用もできるようです。複数バージョンの併用 - 技術的なよくある質問 | Mozilla Japanなどを参照してください。