製作にあたって

ということで椅子を作ってみました。といっても普通の椅子ではなく、世界一高価な椅子と言われたアレです。1976年、セイモア・クレイ率いるクレイ社が作りだしたスーパーコンピュータ、CRAY-1です。ちなみに値段は知りません。

本体の形は切れ込みのある円筒形。その周囲を囲むように張出があり、皮が貼られて座れるようになっています。この部分は電源に関する部分だったような気がしますが。

2004年の世界から見てかっこいいかといわれると……、さすがに少々時代がかってみえるかもしれないなあと思ったりします。しかし、憧れのマシンであることは間違いありません。私はスーパーコンピュータを使えるような技術力は全くないけど、それでもあの筐体は憧れてしまうのです。70年代や80年代にコンピュータの洗礼を受けた方は、同じように想っている人が多いんじゃないかなと思ったりします。

寸法判明

で、ふと思い立って「CRAY-1」ってなキーワードでGoogleのイメージ検索を使ったのが2004年の夏。CRAY-1というと赤と濃い緑と黒という配色しか知らなかったのですが、青(コバルトブルー?)一色とか、オレンジやアイボリーが使われている筐体もあり、バリエーション豊富だったんだなと思いながらヒットしたサイトを次々と見てました。そして辿りついたのがCRAY-1 Hardware Reference Manualというサイト。なんと本体の寸法が書かれてました。

円柱の円弧
270度
高さ
77inch
円柱の直径
56.5inch
椅子部分の高さ
19inch
椅子部分の直径
103.5inch

他にもTHE CRAY-1 SUPERCOMPUTERってところにあったイラストや、様々な写真画像を参考にしました。

インチをメートルに直し、1/6にしてみると、高さは326mm、全体の直径は483mm。作れない大きさではありません。少なくとも地球シミュレータよりも遙かに小さく、メタルラックなどを使っているGrape-6よりも外形は遙かにシンプルです。

基本的に薄ベニヤの貼り合わせで作成し、プラ板を表面に貼って色塗り。椅子の部分には合成皮革を貼る。なんとかなるんじゃないかということで製作に入りました。ベニヤなどの接着には基本的にG10ボンドを使っています。

組み立て

まずは底になる部分を切り出します。ベニヤは900mm*300mmで3mm厚のものを購入。全部で3枚使いました。コンパスと定規を使って線を引き、カッターで切ります。角を2等分する作業を繰り返せば線がひけますので、分度器が無くても大丈夫。

CRAY-1は、270度の円弧を12分割し、片方の端を半分に切って反対側の端に付けた形になってます。16角形から3角分を切り、さらに両端を半分づつ切った形といいますか。

しかしベニヤって、木目に直角に切るときはいいけど、平行気味に切るときは木目にカッターの刃がとられて斜めになりがちですね。糸のこで切るのがベストなのかなあ、とか言ったら軟弱モノとか言われそうですけど。

周囲に板を貼っていきます。直角を出すため&補強のために角材を使用。

椅子の座面部分を貼ります。結構大きい……。27cmドールを座らせてるので大きさがなんとなく判るのではないかと思います。

さらに内側に板を立てて大体の形が出来上がり。17インチのモニタと、PC-9801RX相当の大きさのパソコンの模型も置いてみました。

筐体の内側にもベニヤを貼ります。さらに一番内側はベニヤを張るのが面倒だったので、0.5mm厚のプラ板を貼ってみました。等間隔にスジを入れ、折り曲げて貼ってます。精度もクソもない作り方……。

円筒部に切れ込みがあるのは、保守のためだとか。そこで27cmドールを入れてみました。狭いけど作業は問題なくできたのかな?

ベニヤ表面の目処めが面倒くさいので、塗装する部分にプラ板を貼りました。椅子の部分は合皮を張るのでそのままです。でもあまりにも隙間が目立っているところはポリパテで埋めてます。なぜ隙間が出来たかというと、私の作業がいいかげんだからです。

椅子は単なる平面ではなく、クッションが入っているような感じに膨らんでますので、さらに台形のベニヤを切って貼っていきます。合皮はこの上から一度に貼る予定だったのでベニヤも接着したわけですが、それは間違いだったのに気づいたのは後の話……。

プラ板を貼った後、円柱部分の角の小さな張り出しをプラ板とプラ棒で作りました。これにはどういう役割があるんでしょうか? 見た目の問題だけなのかな?

横から見たところ。椅子の部分の垂直面にはポリパテで目処めしています。この部分のみ黒で塗装しようかなと思ったからです。でも結局合皮を貼ることになりましたが。

ポリパテをスチレンモノマーで薄めて塗り、硬化してから紙やすりで平らにします。面積が大きいので面倒くさいです。粉も一杯でます。プラパテの目処めもやってみたけどあまり効果が無かったです。との粉を使った方がよかったですか。

とりあえずはこれで組立完了。後は塗装と合皮を貼るだけです。

塗装

塗装に移ります。CRAY-1の配色はいくつかパターンがあるようです。もしかして納入先ごとに配色を変えてたんでしょうかね? と思ってしまうくらい。

コバルトブルー一色もよかったんですが、私としてはCRAY-1というと赤と緑(っぽい色)、椅子が黒という配色を思い出すのでした。ハードウェア・リファレンス・マニュアルのページに使われている写真もその配色です。ただ赤は判るけどその隣が黒く潰れててよくわからないんですけどね。もしかしたら緑じゃないかもしれません……。

で、配色のパターンもイマイチよく判りません。少なくともいろんな写真を見るかぎり、赤→緑→赤→緑→赤……、という単純なパターンではなさそうです。

とりあえず両端の半分の幅になっている箇所は黒とし、赤-緑-赤-緑-緑-赤-緑-緑-赤-緑-赤というパターンにしました。張り出しや枠の部分は銀色にします。

赤、緑、合皮を貼らない黒にはクレオスのラッカー系を使用。銀色はタミヤのエナメルでクロームシルバーを使用。

緑と黒はクレオスの原色そのまま。赤は原色の赤と茶を1対1で混ぜたものを使いました。

まずは赤の部分をエアブラシで塗装。面倒なのでマスキング無しで塗装してます。

乾燥後、赤の部分をマスキングし、緑を塗装。その後黒を塗装。エナメルのクロームシルバーは小さな平筆で塗りました。

一番上の部分と円筒の内側の色は、写真ではよくわからなかったので、黒で塗ってしまいました。

最後は合皮を合成ゴム系のG10で接着します。このとき、何年か前に買っておいた黒の合皮を使うつもりでいたのですが、保存がいいかげん過ぎてシワがあちこちによってました……。

合皮を買い直そうかと思いましたが金もないし、誰かに直接見てもらうわけじゃないからいいかーと開き直って、そのまま使うことに決定。

まずは垂直の部分、周囲をぐるりと貼り付け。その後座面に貼っていきます。

最初は座面も一度に全部貼るつもりでしたが、無茶でした。でもって最初貼り付けておいた台形のベニヤを全部剥がし、それに一枚一枚合皮を貼り付け、台座に貼る事にしました。ベニヤはマイナスドライバーを使って特に手間取ることもなく剥がれてくれたので助かりました。

ということでとりあえず終了です。なんかもう、小学生の夏休みの工作レベルの出来でしたね……。

しかしもうちょっと大きく作ると、ATXとかmicroATXのマザーボードや電源、HDDあたりが入りそうな気もします。誰かアルミ板とか加工して筐体作らないかな?

その後

2013年に引越しました。その際、運ぶにもかなり嵩が張るので、壊して破棄しました。部屋には9年ほど鎮座していたことになります。

データはあるし、この次作るときはもうちょいマシなモノを作ろうと思います。

リンク

参考にしたサイト

CRAY-1 Hardware Reference Manual
Antique (lonesome) Computers内のページ。ここで本体の寸法などを知りました。
THE CRAY 1 SUPERCOMPUTER
Andie Hioki
CRAY-1の三面図がありました。
STORIA DEI COMPUTER E INFORMATICA - CRONOLOGIA GENERALE - TIMELINE
青のCRAY-1の画像あり。他にもアルテア8800やIMSAI 8080、PET等古いコンピュータの写真があります。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの若い頃の写真もあったり。
Vintage Computer Festival West 5.0
文章のみのページですが、多数の画像にリンクされてます。CRAY-1の大きい画像があって大変参考になりました。実物見たいなあ。
2008年5月にアクセスしたところ、404になってました……。「Vintage Computer Festival」で検索するとなにか引っかかるかもしれません。
Jim's Computer Garage (museum)
古いコンピュータのサムネイル画像があります。大きな画像にリンクしてるようです。
2013年12月にアクセスしたら404になっていました。
ぶらりドイツの旅 --1月3日(日)--
よしひろさん、りかこさん
ぶらり☆☆の旅内のページ。ドイツ博物館内の赤いCRAY-1の画像あり。椅子の部分の両端がない。
A Seymour Cray Perspective
英語がわからないのでよく判りませんが、セイモア・クレイさんの展望や業績について書かれてるのかな? CRAY-1の画像などがあります。
Seymour Cray
スペインのサイトかな。赤いCRAY-1の画像あり。円筒部の張り出しや枠が黒くて、精悍な感じです。フェラーリというかランボルギーニというかそんな感じ。三倍早いとかそんなことは言いませんの事よ。
11. ローザンヌ工科大学
スイスのローザンヌ大学に滞在してた経験があるという作者さんによるスイスのページ内のページ。やや白っぽい青と黄色のCRAY-1の写真あり。模型と書かれてます。
ロンドン科学博物館 コンピュータ Cray-1
Lay's home page内のページ。この配色はもしかしてRGB?
ちえの和WEBページ:コンピュータの歴史 スーパーコンピュータ
Hosogai Toshio さん
コンピュータ偉人伝などがあるちえの和WEBページ内のページ。ウィキペディアとはまた違った解説があります。
2008年5月にアクセスしたところ、準備中とのこと。コンピュータ偉人伝がURL変更して公開中。

クレイ1を作っているサイト

1/24サイズのガレージキットを製作しているサイトを発見。

GRIFONS'GARDEN
CRAYー1と、CRAY-1に色々座らせてみようの2ページ。ワンフェスに参加なさっているんですね。手ごろなサイズになるので結構可愛いかも。