はじめに

2008年10月26日、ホビコン05神戸で発売したキットです。販売数はわずか2セット。これを購入してくださったお二人に参考として見ていただけるようこのページを作ってみました。キットには組立説明書がついていないので(間に合いませんでした)、ここを見て参考にしていただければと思っています。……すいません本当に。

宇宙船に限らず、乗り物の前後方向は、進行方向を基準にとることで決まります。しかし重力を基準にして上下、さらに左右が決定できる地球上の乗り物と違い、宇宙船では上下左右を決定できる基準を何に求めるか、という問題があります。地球上で生活しているときに意識できる「地球の中心方向へ働く重力」のような基準がありません。

今回の「のぞみ」は、完成後は横長の状態で展示できるようになっています。よって、展示時の状態から上下左右を決定し、これからの解説で使っていきます。

通常エンジンを使っている場合は、ある程度の加速度がかかるため、前が上で後ろが下という感覚になるよーということを少し頭に入れておくと、宇宙空間を進む宇宙船というイメージが湧きやすくなるのではないかと思います。フィクションでよく登場する水上艦艇風の宇宙船のイメージとは違うものにしたいのでした。

方向の基準になる三軸を、スタンドに立てた宇宙船模型に重ねてみました。組立説明に出てくる上下左右などは、この方向で表しています。

部品確認

2セットしかないので部品チェックは大丈夫、だと思います。部品が足りないなどありましたらご連絡のほどよろしくお願いいたします。

一部は余分に入れています。ミスではないのでご安心ください。比べて良さそうなのを使うとか、好みで説明と違うように使ってみるとか、ご自由にお使いくださいませ。

部品はすべてビニール袋の中に入れてあります。大きめの袋が6枚、小さめの袋が3枚。中にはアルファベットを記した紙を入れてますので、確認してみてください。大きめの袋はAからF、小さめの袋はG、H、Kと書いた紙が入ってます。IJの文字は、字形が紛らわしくなる可能性があるので使っておりません。元々無いので探す必要はないのでした。会場でこの辺言いましたっけ……? なんかこの辺の説明もし忘れてたような気が……。

袋A

袋Aに入っている部品です。本体(反物質管理モジュール)とノズル。写真は本体のみです。左側が前方、右側が後方になります。

真ん中には穴が貫通しており、前方には後述の中央シャフト、後方にはエンジンから出ている真鍮パイプを差し込めるようになっています。また、下面にも穴が開いており、ここにはスタンド用の真鍮パイプを差し込みます。穴の直径はいずれも5mmです。

袋Aの内容。こんな感じで入っています。

本体(反物質管理モジュール)
解説:反物質管理システムを中核にし、予備電源やバッテリなどを備えたモジュール。外観はAMT外殻と呼ばれる変形八角柱。この内壁から反物質タンク等の機器へと梁がのびており、一見硬式飛行船を連想させる構造になっている。船体前半から続く竜骨がつながっており、微粒子衝突時の衝撃を最終的に吸収して核融合エンジンへの影響を防ぐ。船体前半の他に4基の巨大な燃料タンク複合体、超光速推進モジュール、核融合エンジンがつながる、宇宙船全体の基部となっている。
意図:ガレージキットの部品的には反物質うんたらというより「本体」と短く書くことにしますね。
ノズル(核融合プラズマ-推進剤混合部)
解説:核融合エンジンから噴射されるプラズマと、推進剤(水)とを混合し、船体後方へと噴射させる部分。核融合は核分裂と違って反応を起こし維持するのが難しく、異物の混入によって容易に反応が停止するため、推進剤は核融合反応を起こす超伝導コイルより後で混合される。
意図:ガレージキットの部品的には「ノズル」の一言で記しておきます。

袋B

袋Bに入っている部品。タンク(燃料タンク複合体)で、4個入っています。

下側が後方になり、大きな湯口ができてます。手で少し力を入れれば折れるようになっている、つもりです。

タンク(燃料タンク複合体)
解説:核燃料となるヘリウム3と重水素の他、推進剤である水を蓄えている。外殻には各種航法センサの他に放熱板もつけられ、複合的な役割を持っている。この手のタンクは空になると質量比を稼ぐために分離されるのが普通であったが、太陽系外においてもスペースデブリの発生を抑える事が義務となったため、基本的には切り離しできないようにされた。そのため「のぞみ」においてはタンクに多種な役割を持たせることになった。
意図:これも「タンク」の一言で済ませます。でもあまりタンクっぽくないですね。居住区と思われても仕方なさそうな……。

袋C

袋Cに入っている部品。左がスタンドで、右が中央シャフト

写真には写っていませんが、スタンド用の真鍮パイプも入れてます。中央シャフトは写真下側が後方、本体に差し込む側になります。

スタンド
意図:これの一つ前「ひかり」用に作ったものです。形が似ている「スヴィェート」のは3mm径の真鍮パイプをさせるようになってますが、これは5mm径のをさせるようになってます。
中央シャフト(船体前部竜骨+暴露施設モジュール)
解説:船体の前半部分は、中心に竜骨と呼ばれる構成材が三本通っており、これを取り巻くように各種モジュールが連結されている。竜骨は、モジュール同士をまとめてひとつの構成体とする役割を持つとともに、先端防護壁へのメテオロイド衝突による衝撃を吸収して船体への影響を抑える働きも持つ。居住モジュールとAMT外殻の間は暴露施設モジュールとなっており、実験観測装置やアンテナなどを備える。
意図:「中央シャフト」の一言で。竜骨が一本しか通ってないように見えますが、三本が組み合わさってできてますよ、という感じで見てくださいませ。

注意事項ですが、このスタンドは役に立ちません。キットに対して小さすぎました! 申し訳ありません。イベント会場では、100x60x5(mm)の真鍮板(254g)を両面テープでスタンドに貼り付けて展示してました。何か代用品を使うか、2009年3月現在製作途中の大型スタンドをお待ちください……。スタンド用の真鍮パイプは直径5mmです。

袋D

袋Dに入っている部品。左が船首で、右がエンジン(核融合エンジンモジュール)です。写真上側が前方、下側が後方になります。

船首の下側にあいている穴は中央シャフトの真鍮パイプを差し込みます。エンジンから出ている真鍮パイプは本体の穴に差し込むようになっています。

船首(先端防護壁+船首モジュール+船体前部竜骨)
解説:船首モジュールは、推進用エンジンや反物質管理モジュールから離れたところに位置しており、後述の与圧モジュールや貨物モジュールが組み合わさる際の核となるモジュールである。最前面は先端防護壁と呼ばれ、メテオロイド(天然の宇宙塵)対策として立方晶窒化炭素の三重層を形成している。
意図:「船首」です。
エンジン(核融合エンジンモジュール)
解説:宇宙船の通常推進用エンジンである推進用核融合炉や、船尾RCS(リアクション・コントロール・システム、姿勢制御装置)など、推進に関する機能が合わさった複合モジュール。推進用核融合炉はCSS型(カスケーディング・ステラレータ)の一種であり、中空構造の漏斗型超伝導磁気コイルを備える新開発のJTX-68K-Aが1基であり、重水素とヘリウム3を核燃料とする。燃料はスピン偏極されており、D-D反応を抑えて中性子の発生を防ぐほか、反応の効率を1.5倍に高めている。
意図:「エンジン」の一言でOK。

袋E

袋Eに入っている部品。左側の3個写っているのは与圧モジュール。右側に2個写っているのはバーニアエンジンです。

与圧モジュールは船首に3個取り付けますが、袋にはもう1個余分に入れてます。バーニアエンジンはエンジンとノズルに取り付けます。

与圧モジュール
解説:生命維持に必要な環境を備えたモジュールで、非常時には船体から切り離され救命艇として機能する。VIC(Voyage Information Center、航宙情報中枢・いわゆる操縦室)の他に個室、有人実験施設、環境制御システム(酸素供給、二酸化炭素処理、温度湿度調整や排泄物処理などを含む)、食料貯蔵庫、EVA用の作業ポッド格納室、エアロックなどを備える。初期に乗員二名で活動が行われていたときは、与圧モジュール1基に付き1名が割り当てられていた。船首モジュールにぶら下がる形で接続されており、竜骨とは直接つながってはいない。他の与圧モジュールや貨物モジュールへの行き交いは可能。
意図:部品名としてはどう記そうか悩みましたが、「与圧モジュール」で意味はなんとなく分かるかなと思いまして。
バーニアエンジン
解説:進路制御に用いる小型の補助エンジンで、「のぞみ」の場合4基が核融合エンジンモジュールに据え付けられている。エンジン自体は小型の軌道間輸送機などに使われているタンデムミラー式推進用核融合炉Gamma110が流用されている。
意図:「進路制御」とはPDD百科辞書での「バーニアエンジン」の解説でしたが、「姿勢制御」よりも意味を把握しやすいんではないかと思います。アニメ作品などで「姿勢制御」の意味合いで使われるのは「バーニア」より「RCS」じゃないかなと思ったり。

袋F・袋G

上に並んでいるのが袋Fに入っている部品で、下に並んでいるのが袋Gに入っている部品です。上に4個並んでいる、椅子のように見えそうなのはタンク基部です。タンクと本体の間に取り付けます。下の左に4個ある小さな部品は船首RCS・センサで、船首の丸い脇のところに取り付けます。下の右にあるのは貨物モジュールで、これも船首に1個取り付けますが、袋にはもう1個余分に入れてます。

タンク基部
解説:ATM外殻と燃料タンク複合体とを結びつける支柱の役割を果たす。中には構成材の他に燃料・推進剤供給パイプやヒートパイプなどが通っている。計画当初はこの部分で切り離しができる予定だったが、後に切り離しできないようにされた。
意図:タンク基部。タンクパイロンでもよかったかなとは思いますが「パイロン」より「基部」の方が用途を連想しやすいかなと思いまして、部品名をこのように命名してみました。
船首RCS・センサ
解説:主に船体前部方向の情報を取得するためのセンサ類が積まれたモジュール。モジュール中央には船体前部RCSのスラスタ群を配置してある。
意図:船首がのっぺりしてしまうのを防ぐためにつけてます。RCSってのはリアクション・コントロール・システム(サブシステム)の略で、いわゆる姿勢制御装置(姿勢制御用スラスタ)。
貨物モジュール
解説:エアロックよりも大きな乗員連絡用ドッキングポートや、大型貨物ドアを備えたモジュール。大型物資の倉庫として使うほか、整備ドックにおいては与圧モジュールへの物資輸送時の積み込み口としても利用される。与圧モジュールには外界への連絡口が個人用エアロックドアと作業ポッド格納庫ドアくらいしかないので、貨物モジュールを経由した方が効率的なため。
意図:貨物室です。与圧モジュール4個を並べるよりも1個別物にした方が、少しバランスが崩れて見栄えがよくなるかなと思い作ったものです。

袋H・袋K

左にあるのが袋Hに入っている部品で、右のが袋Kに入っている部品です。左の4個が船首シャフトで、船首に取り付けます。右の2個はFTLモジュール(超空間推進モジュール)で、スタトレ世界だとワープナセルに当たる部品です。これは本体に取り付けます。

船首シャフトの中には真鍮線を入れており、容易に曲がったりしないようになってます。

船首シャフト
解説:先端防護壁と船体前部竜骨との間をつなぐ支柱。先端防護壁から4本伸びており、与圧モジュール間を通る形で竜骨へとつながる。先端防護壁に相当の衝撃があった場合、このシャフトが先に壊れることで衝撃を吸収し、他への影響を少なくする。
意図:これも部品名に困りましたが、「船首シャフト」でなんとなく分かるのではないかと……。
FTLモジュール(超空間推進モジュール)
解説:対消滅反応で生じる大量のガンマ線を利用してスピンフォーム(ループ量子重力理論における「時空」の概念)を巨視的レベルで破壊し、物質の巨視的量子トンネル効果を起こさせるためのモジュールであり、FTLエンジンとも呼べる。「のぞみ」は従来の「ひかり」タイプとは異なり、対消滅で生じる180度離れた二方向のガンマ線のうち、片方を扱う反射板を備えることで、モジュールの数を2基に減らすことに成功している。
意図:FTLは「超光速」の意味です。量子トンネル効果云々は気にしない方が吉です。

箱に入っているのは以上になります。